2021/01/28 15:51

甘やかな笑顔のクリシュナ神と

おそろしい鬼性の女神カーリー。

普通の神話では、このふたりは
(二柱、と言うべきでしょうか……)
交わりません。

半男半女の神の姿には
アルダナーリーシュワラがいて
普通、シヴァとパールワティー妃の
ひとつ身となった姿として描かれます。

カーリークリシュナの画を
デザインした商品には、
以下のような説明を付けました。



———

ベンガル地方では、
髑髏の首飾りをかけた
恐ろしい女神カーリーと
甘い顔立ちの美男子
クリシュナ神が

同じ存在の双面
と捉えられる事があります。

クリシュナとの逢引きを
義姉たちに見咎められそうになった
ラーダーに
クリシュナは言います。
心配ない、あなたはただ
私に礼拝をしなさい——

すると、クリシュナの髪は
のたうち回るように伸び、
黄色い腰巻きは、連なる人の腕に
白い花の首飾りは、髑髏の首飾りに
そして長い舌がダランと伸びて——

義姉たちがたどり着いた時
そこにはカーリー女神に
礼拝をするラーダーがいました。

とはいえ、
カーリーとクリシュナを
一体として描く伝統は
ありません。

これはあくまで、私自身の
取り組みとして、
アルダナーリーシュワラ
(普通は、シヴァ神とパールワティー女神が
一体となった姿を指す)
としてのカーリークリシュナを
日本の伝統色で描いてみました。

———

シヴァ神とパールワティー神妃は
ことアルダナーリーシュワラとして
ひとつの身体に描かれる時は
静かで定まっている性質が
強いように思われますが

クリシュナ神もカーリー女神も、
常に留まっているところの無い、
非常に動的な存在です。

バウルのうたやベンガルの
女神に捧げる歌には
「あなたはクリシュナでありカーリーでもある……」
とよく歌われています。

それを私自身に落とし込んでいく
取り組みのひとつとして、
描いた画でしたが

割とよく声をかけていただくので
こうしたグッズとして
誰かの手元に届いてくれれば嬉しいな、
と思います。

これからも描いていきたいテーマです。

(※手帳型iPhoneケースのデザインも作っていたのですが、素材不足なのか、こちらに販売登録することができませんでした。可能になり次第登録できればと思いますので、もしご興味お持ちの方がいらっしゃれば、お待ちいただければ幸いです。)