2021/04/18 20:56

象の頭をした神さまガネーシャに、

親しみを感じるようになったのは
多分ケーララに住むようになってからです。

2012年〜2013年、南インド
ケーララの州都トリバンドラムに
住んでいました。
今にしてみると本当に
短い間でしたが、
あの時の時間感覚としては、
長かったような、
あっという間だったような。

今よく行き来をする
東インドの西ベンガル州では、
ケーララほどには
ガネーシャを見かけません。

ケーララでは、
ガネーシャをよく見かけました。
お祭りの時でもそうですが、
毎日何かしらのお祭りが
どこかで開催されている……
と言われるほどの州ですから、

お寺なり、広告なり、看板なり、
とにかく何かしら
ガネーシャを見かけることは
多かったです。

ガネーシャの異名に
ヴィグネーシュワラ、
ヴィナーヤカ「破壊神」
というものがありますが、

障害を破壊する神である
ガネーシャは癇癪持ちで、
機嫌を損ねると暴れるから
何か物事を始める時には
まずガネーシャに祈って
その寵を願うとされています。

音楽でも、まず最初に
ガネーシャの歌。

そんなガネーシャは、
子どもの姿で描かれることも多く
特に、このエピソード。

饅頭をたらふく食べた後
ネズミくんの背に乗って遊んでいたら
出てきた蛇に驚いたネズミくんに
振り落とされ、腹は開いて
たくさん食べた饅頭も
出てきてしまいました。

ガネーシャは怒って、
出てきた饅頭をもう一度
お腹に詰めた後、
原因になった蛇で
お腹を巻いて、縛りました。
(外科手術!)

その様子を見ていた月が
ガネーシャのことを笑うと、
ガネーシャは、月を呪いました。
「お前はもう、誰の目にも映らない」
慌てた月が謝罪したものの、
一度発した呪いは
消すことができないので、
月は、完全な姿と見えない姿を
行き来するようになったそうです。

初めてこのエピソードを、
子ども向けの漫画雑誌で読んだ時
(マラヤーラム語の学習に
読んでいました)
妙にツボに刺さり、大ウケしました。

それからずっと、
私の中のガネーシャ神は、
癇癪持ちの子どもなのです。

それで、何年も経って、
坐って瞑想をしている時、
私の中にいる
地団駄を踏んでいる子どもが
ふいに、ガネーシャの姿をとりました。

この画は、その後に描いたものです。
泣いている子どものガネーシャに
寄り添い慰める飛天は、
ここ数年私が関心を持っていながら
いまだによく分からない存在なので、
あまり語る事ができません。

この画を描いた時は
ちょうど正倉院展に行ったばかりで
その影響が見て取れます。

4月は、この画を使った商品をいくつか
デザインしました。
よかったらご覧ください。